ファン・ウソク(読み)黄 禹錫(英語表記)Hwang Woo-suk

現代外国人名録2016 「ファン・ウソク」の解説

ファン・ウソク
黄 禹錫
Hwang Woo-suk

職業・肩書
医学者 元ソウル大学教授

国籍
韓国

生年月日
1952年12月15日

出生地
忠清南道

専門
再生医療, ES細胞

学歴
ソウル大学〔1977年〕卒

経歴
5歳の時に父親を亡くし、貧しい家庭で育つ。ソウル大学を卒業後、1985〜86年北海道大学獣医学部に研究生として留学受精卵顕微鏡で扱う顕微操作の技術を学ぶ。その後、ソウル大学教授に就任。2004年様々な細胞や臓器に成長できる胚性幹細胞(ES細胞)という特殊な細胞を、クローン技術を使って健康な女性から得ることに世界で初めて成功。2005年には脊髄損傷や小児糖尿など難病を患っている11人からES細胞を取り出すことに成功し、5月米科学誌「サイエンス」に発表。患者自身の細胞を使って病気やけがを治す再生医療の実現に近づいたとして、世界的に注目される。しかし、12月ソウル大学は「サイエンス」に掲載された論文データが捏造だったと発表。2006年5月ソウル地検は、黄元教授が論文捏造の事実を知りながら、政府や民間企業などから総額20億ウォン(2億3600万円)以上を詐取したとして、詐欺罪、業務上横領罪などで在宅起訴した。その後、ソウル大学を追われ、政府から与えられた“第一号最高科学者”などの名誉はすべて剥奪された。研究費詐取や生命倫理法違反の疑いでも起訴され、2014年2月最高裁は懲役1年6ケ月、執行猶予2年の判決を言い渡す。この間、2006年には支援者によりスワム生命工学研究財団(スワムは黄博士の愛称)が設立され、2011年にはスワム生命工学研究所が完成。再び動物のクローンの研究に取り組み始める。

出典 日外アソシエーツ「現代外国人名録2016」現代外国人名録2016について 情報

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