現代外国人名録2016 「フアンゴイティソロ」の解説
フアン ゴイティソロ
Juan Goytisolo
- 職業・肩書
- 作家
- 国籍
- スペイン
- 生年月日
- 1931年1月5日
- 出生地
- バルセロナ
- 学歴
- バルセロナ大学法科卒,マドリード大学
- 受賞
- エウロパリア賞〔1985年〕,ネリー・ザックス賞〔1993年〕,ファン・ルルフォ賞〔2004年〕,フォルメントール賞〔2012年〕,セルバンテス賞〔2014年〕
- 経歴
- 1950年代後半に登場してきた多くの社会派作家の代表的な一人で、スペイン内戦で、母を失い、父は投獄されるなどの少年時代の内戦体験をもとに、集団疎開の児童たちの間に現れたさまざまな状況を描いた「Duelo en el Paraiso(エル・パライソの決闘)」(’55年)で脚光を浴びるが、独裁体制下で発禁となる。’57年パリに亡命し、実験的で難解な小説を次々と発表。のちに米国の大学などで、スペイン文学を教える。スペインの民主化後も帰国せず、モロッコのマラケシュを第二の故郷とし、小説から評論まで幅広い創作活動を続ける。「身元証明」(’66年)、「ドン・フリアン伯の復権」(’70年)、「根なしのフアン」(’75年)などでは新しい文体的な実験も試みながら、外国生活者や亡命者のアイデンティティの問題を扱っている。また、ボスニア内戦を取材、連載したルポルタージュは20ケ国以上の新聞に転載され、とりわけ「サラエヴォ・ノート」は大反響を呼んだ。他の作品に、小説「フィエスタス」(’56年)、「戦いの後の光景」(’82年)、「マルクス家の系譜」(’93年)、「包囲の包囲」(’95年)、評論集「サラセン年代記」(’81年)、ルポルタージュ「パレスチナ日記」、「嵐の中のアルジェリア」(’94年)などがある。ユネスコ無形遺産の傑作国際審査委員長も務める。
出典 日外アソシエーツ「現代外国人名録2016」現代外国人名録2016について 情報