日本大百科全書(ニッポニカ) 「フィンランド湾」の意味・わかりやすい解説
フィンランド湾
ふぃんらんどわん
Gulf of Finland
スカンジナビア半島とヨーロッパ大陸との間にあるバルト海の支湾。北のフィンランドと南のエストニア共和国の間を東西に延び、最奥部にロシア連邦のサンクト・ペテルブルグが位置する。沿岸には氷食を受けた無数の小島、岩礁がある。潮差はごくわずかで、塩分は低く、フィンランド湾奥部の表面で夏季に濃度約5である。冬季の低温によって容易に凍結する。通常の冬は全面結氷し、沿岸部は自動車で通行可能となる。きわめて浅く、平均水深は約36メートルにすぎない。古くからこはく、毛皮などが取引された重要な水路であり、沿岸には重要な港市が発達した。ニシンなどをとる小規模な漁業が行われている。
[塚田秀雄]