ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タリン」の意味・わかりやすい解説
タリン
Tallinn
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エストニア共和国の首都。フィンランド湾に面し、湾を挟んでヘルシンキと対峙(たいじ)する位置にある。人口40万3981(2000)。ドイツ語名レーバルReval。エストニア共和国の政治、経済、文化の中心地。バルト海の重要港湾の一つで、大規模な港湾施設をもつ。軍事的にも重要で、造船所をはじめ海軍軍事施設がある。電気機械、紙、パルプ、家具、繊維、皮革、ピアノを生産する工業都市でもある。古い歴史のある都市で、デンマーク王バルデマー2世が1219年に要塞(ようさい)を建設した。ヨーロッパとロシアの海上貿易の中継地として地理的に優れた位置にあるため、13~14世紀にはバルト海沿岸の大都市に発展した。13世紀末にはハンザ同盟に加盟し、貿易港として発展したが、1346年にチュートン騎士団の手に落ち、のちにスウェーデン、ロシアと支配者が変わった。1918年には独立したエストニア国の首都となり、レーベリRevel'とよばれた(1940まで)。40年ソ連邦に編入。第二次世界大戦中ドイツ軍に占領され、重大な戦禍を受けた。エストニアは、91年にはふたたびソ連からの独立を達成した。市域は次の三つの地区からなり、歴史的建造物が多い。13~14世紀の城塞のある丘陵地区、14~16世紀に建造された城壁に囲まれた旧市街、その外側に広がる新市街の3地区である。科学アカデミー、各種研究所、大学、劇場、博物館など文化施設も多い。1997年に旧市街は世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。
[山本 茂]
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