フェルガナ盆地(読み)フェルガナぼんち(英語表記)Ferganskaya kotlovina

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェルガナ盆地」の意味・わかりやすい解説

フェルガナ盆地
フェルガナぼんち
Ferganskaya kotlovina

中央アジア,シルダリア中流域にある盆地大部分ウズベキスタンにあるが,一部タジキスタンキルギスにまたがる。周囲をほぼ完全に山地で囲まれ,西端がわずかに開いた山間盆地で,面積約2万 2000km2。標高 320~1000m。古くから定住農業が行なわれ,また中国との交易路にあったため,8世紀にアラブ,13世紀にチンギス・ハン (成吉思汗) ,14世紀にチムール (帖木児) などに侵入,征服された。 18世紀末この地を中心にコカンド・ハン (浩罕汗) 国が建設されたが,1876年ロシアに併合された。大陸性気候であるが,冬が比較的暖かい。半砂漠,砂漠地帯に属し,降水量が少なく,特に4~8月は降雨がほとんどないが,盆地南縁を通る大フェルガナ運河をはじめ,北および南フェルガナ運河など灌漑用水路が発達し,ウズベキスタンの重要な農業地帯となっている。水稲,ムギ類,綿花クワ,ブドウ,モモ,アンズなどが栽培される。また石炭,石油,水銀アンチモンなどを産する。中央アジアで最も人口稠密な地域一つで,ウズベキスタンのアンジジャン,フェルガナ,マルギラン,ナマンガン,コカンド,タジキスタンのホジェント,キルギスのオシなどの都市が立地する。

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