フェルグソン石(読み)ふぇるぐそんせき(その他表記)fergusonite-(Y)

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェルグソン石」の意味・わかりやすい解説

フェルグソン石
ふぇるぐそんせき
fergusonite-(Y)

放射能鉱物の一つ。ベータフェルグソン石(β-fergusonite)とは同質異像関係にあり、合成実験ではその低温相に対応する。花崗(かこう)岩質ペグマタイト中に、錐(すい)面と柱面とからなる柱状結晶をなし、両者の境界線が斜めになるのが特徴の一つ。日本では福島県川俣(かわまた)町、京都府京丹後(きょうたんご)市のものが有名。放射能根源はおもに少量成分として含まれるウランに起因するが、これは本質的な成分ではない。しかしつねに含有されている。英名スコットランドの物理学者ファーガソンRobert Ferguson(1767―1840)にちなむ。

 なお、英名の語尾につけられた記号は、構成成分中イットリウム(Y)がもっとも多量に含有されていることを示すもので、現行の日本の習慣としては、原記載のものはそのままを和名とし、フェルグソン石についていえば、すでに知られているfergusonite-(Ce)およびfergusonite-(Nd)の和名をそれぞれセリウムフェルグソン石、ネオジムフェルグソン石とよぶようになっている。

加藤 昭]


フェルグソン石(データノート)
ふぇるぐそんせきでーたのーと

フェルグソン石
 英名    fergusonite-(Y)
 化学式   YNbO4
 少量成分  U,Th,Ca,Pb,他の稀土類元素,Ti,Ta,Fe,Mn,H2O
 結晶系   正方
 硬度    5.5~6.5
 比重    4.5~5.5
 色     褐黒~暗褐
 光沢    亜金属
 条痕    黄褐~褐
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照)

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最新 地学事典 「フェルグソン石」の解説

フェルグソンせき
フェルグソン石

fergusonite-(Y)

化学組成YNbO4の鉱物。正方晶系,空間群I41/a, 格子定数a0.516nm, c1.089, 単位格子中4分子含む。メタミクト,450~750℃で加熱で結晶化,800℃以上の加熱では単斜晶系に変化。一般には正方晶系型のものをいう。灰重石型構造。柱状・錐体状結晶。断口亜貝殻状,脆弱,硬度5.5~6.5, 比重4.6~5.8, Ta含有量とともに増加。ガラス・亜金属光沢,黒~灰・黄・褐色,条痕褐・黄褐・灰褐色。薄片中淡褐ないし暗褐色。一軸性負,複屈折強,屈折率2.05より大。ABO4, 主成分はA:Y・Er, B:Nb・Ta。NbよりTa含有量の多いフォーマン石と同形,完全な固溶体をほぼ純粋なNb鉱物からTa鉱物までつくる。各地のペグマタイト中に産出。スコットランドの物理学者R.Fergusonにちなみ命名。

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参照項目:ベータフェルグソン石

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のフェルグソン石の言及

【ニオブ・タンタル鉱物】より

…ニオブとタンタルは性質が酷似していて,天然には常に両者相伴って存在する。フェルグソン石fergusonite ABO4,ユークセン石euxenite AB2O6(斜方晶系,比重約5),サマルスキー石samarskite(化学式はAB2O6とABO4の中間の組成で,どちらもA+Bの数がOの数の1/2である。結晶中で次のAとBの元素が互いに入れかわりうるため,一つの化学式で示しにくい。…

※「フェルグソン石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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