18世紀から19世紀にかけてアメリカでつくられた純朴な民衆芸術で、一般に独立戦争時代から1870年代あたりまでがその最盛期とされている。専門的な技術をもたない画工、職人または素人(しろうと)によってつくられた肖像画、聖画像、看板、風見、船首像、おとり、家具、パッチワークなどを総称する。すべて実用的な目的のためにつくられたもので、忠実に細部を再現しようとする傾向と、自由奔放な想像力を駆使する場合があり、いずれも技術的には稚拙ながら、率直で健康にあふれた表現になっている。地域によって特有の様式を示しているが、それは移民の歴史と深いかかわりがある。北東部一帯のイギリス系、ペンシルベニアのドイツ系、ニュー・メキシコなど南西部のスペイン系、南東部のアフリカ黒人系など、民族性豊かな特色がある。産業革命の展開に比例してフォーク・アートは滅亡する運命にあったとはいえ、北アメリカで19世紀末まで広くつくられたことは注目に値する。フォーク・アートが20世紀に入ってにわかに評価されるようになったのは、近代芸術の根本に触れる問題をもっていたからであろう。ガービッシュ・コレクションやロックフェラー・コレクションなどが知られているほか、ニューヨークをはじめ各地の美術館でその地特有のフォーク・アートを展示しているところが多い。近年、日本にも紹介されるようになった。
[桑原住雄]
『Jean Lipman, Alice WinchesterThe Flowering of American Folk Art, 1776‐1876 (1974, the Viking Press, New York)』
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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