日本大百科全書(ニッポニカ) 「フォームプラスチック」の意味・わかりやすい解説
フォームプラスチック
ふぉーむぷらすちっく
foam plastics
発泡プラスチック、プラスチックスポンジともいう。多くのプラスチックがフォームになるが、実用化されているものは、熱可塑性フォームではポリスチレン、アクリロニトリル‐スチレン(AS)やアクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン(ABS)共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコールなどのフォームである。熱硬化性フォームにはポリウレタン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などのフォームがあり、さらにそのほかにアセチルセルロースやビスコースなどのセルロース系のフォームもある。これらのフォームには独立気泡と連続気泡のものとがあり、また硬さによって軟質と硬質フォームに分けられる。
製造法は、液化石油ガスを混入する気体混入法や、炭酸アンモニウムのように加熱によって炭酸ガスやアンモニアガスを発生する無機系発泡剤または熱分解で窒素ガスを放出するアゾビスイソブチロニトリルなどの有機系発泡剤などをプラスチックに混入して密閉器中で加熱成形する方法がある。
用途は、断熱材、クッション材、パッキング材、濾(沪)過(ろか)材、構造材として、おもに自動車バンパーなどに用いられている。
[垣内 弘]