シリコーン樹脂(読み)しりこーんじゅし(英語表記)silicone resin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シリコーン樹脂」の意味・わかりやすい解説

シリコーン樹脂
しりこーんじゅし
silicone resin

ケイ素樹脂ともいわれ、シリコーンのなかで三次元の網状構造をもったものである。有機の基Rとしてメチル基フェニル基とが一般的であり、トリクロロシランRSiCl3とジクロロシランR2SiCl2を、希望の割合で混合したところに、トルエンなどの溶媒を加え、加水分解してRSi(OH)3とR2Si(OH)2シラノールを共縮合させて架橋網状構造物をつくる。

 シリコーン樹脂は一般に耐熱性、耐湿性、耐腐食性、耐候性、耐薬品性に優れているが、機械的強度はあまり大きくない。電気絶縁材料(電線被覆)、成形品、耐熱性塗料、医療用器具などに用いられる。

垣内 弘]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シリコーン樹脂」の意味・わかりやすい解説

シリコーン樹脂
シリコーンじゅし
silicone resin

ケイ素樹脂とも呼ばれる。主鎖がシロキサン結合から成る重合体総称。 200℃以下では変化しない熱安定性があるうえ,被覆力があって水をはじく性質をもっており,また電気の絶縁性もある。したがって,耐熱性ゴム,防水加工剤として,また高温水中で利用するモータなどの絶縁に使うこともある。

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