ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フサイン・バイカラ」の意味・わかりやすい解説
フサイン・バイカラ
Ḥusayn Bayqara
[没]1506
イラン,チムール朝の君主 (在位 1469~1506) 。チムール (帖木児)の次子ウマル・シャイフの曾孫。初めホラーサーンを統治したアブル・カーシム・バーブルに仕え,その後スルタン,アブー・サイードと対立。アブー・サイード没後の 1469年3月 25日,ヘラートに入城して即位,ホラーサーンを統治した。彼の治下,ホラーサーン地方は平和を保持し,チムール朝最後の繁栄を享受した。首都ヘラートは文化の中心地となり,フサイン・バイカラと彼の宰相で詩人であったアリー・シール・ナバーイーの保護のもとに,詩人ジャーミー,歴史家ミールホーンド,細密画家ビフザードらのすぐれた文人,学者が多数参集した。彼自身,ペルシア語やトルコ語の論文を著わしている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報