改訂新版 世界大百科事典 「フタオビコヤガ」の意味・わかりやすい解説
フタオビコヤガ
Naranga aenescens
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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昆虫綱鱗翅(りんし)目ヤガ科に属するガ。はねの開張15~20ミリの小形種。はねは細長く、前翅頂はとがる。第一化の成虫は、前翅が暗い灰黄色で、中央を走る赤褐色帯がないが、第二化では明るい黄色で、雄では中央に赤褐色帯があり、雌では部分的または完全に消失していることが多い。日本全土から東南アジアに広く分布する種で、幼虫はイネの害虫として有名である。稲作とともに分布域を広げたものと考えられる。幼虫は緑色のイモムシで、第3、第4節の腹脚が退化しているので、シャクトリムシ状の歩行をする。イネの葉を食べ、寒地では年2~3回、暖地では年3~5回の発生。老熟幼虫は藁(わら)の中で越冬する。
[井上 寛]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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