日本大百科全書(ニッポニカ) 「フトミミズ」の意味・わかりやすい解説
フトミミズ
ふとみみず / 太蚯蚓
環形動物門貧毛綱フトミミズ科のミミズの総称であるが、狭義にはフトミミズ属のミミズの総称。
フトミミズ科Megascolecidaeにはアカントドリルス亜科Acanthodrilinae(ホタルミミズなど)、オクネロドリルス亜科Ocnerodrilinae(オクネロドリルス・オキデンタリスとよばれる種が日本にいる)、オクトケータス亜科Octo chatinae(フタツイミミズの仲間である)、それに多数のフトミミズが属するフトミミズ亜科Megascolecinaeなどのグループが含まれる。日本産で学名のついているものだけで約80種ある。
フトミミズ属Pheretimaにはフツウミミズ、ヒトツモンミミズ、クソミミズなどが含まれ、学名をもつものだけで約70種があり、未記載の種を加えると200種を超える。最近、イギリスのイーストンは日本のフトミミズ類をアミンサス属Amynthas、メタフィレ属Metaphire、フェレチマ属Pheretima、ピゼメラ属Pithemera、ポリフェレチマ属Polypheretimaの5属に分割した。しかし、種の同定に誤りが多く、この扱いをそのまま認めることはできない。
[大野正男]