フランチアビジオ(読み)ふらんちあびじお(英語表記)Franciabigio

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フランチアビジオ」の意味・わかりやすい解説

フランチアビジオ
ふらんちあびじお
Franciabigio
(1482ころ―1525)

イタリアの画家フィレンツェ生まれ。本名フランチェスコ・ディ・クリストファノ・ビージ。アルベルティネッリとピエロ・ディ・コジモのもとで画業を学び、サンティッシマ・アヌンツィアータ聖堂の修道院でアンドレア・デル・サルトとともに壁画の制作に携わる。16世紀初頭のフィレンツェで隆盛をみた、レオナルド・ダ・ビンチやラファエッロの影響による盛期ルネサンスの古典主義的画家の1人で、才能豊かとはいいがたいが、叙情味のある作品を残した。代表作にはキオストロ・デッロ・スカルツィの『最後の晩餐(ばんさん)』やポッジョ・ア・カイアーノのメディチ家別荘広間の壁画などがある。そのほか聖母子画や肖像画にも佳作が少なくない。

[石鍋真澄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フランチアビジオ」の意味・わかりやすい解説

フランチアビジオ
Franciabigio

[生]1482
[没]1525.1.24. フィレンツェ
イタリア盛期ルネサンスの画家。本名 Francesco di Cristofano Bigi。フランチェスコ・ジュディニともいう。おそらくフィレンツェで生れ,初め M.アルベルティネリに学び,サルトの影響を受けた。初めは生硬な作風を示したが,ラファエロ風の典雅な洗練された作風から,晩年には明暗対比の強いマニエリスム様式に移った。サルトのライバルとしておもにフィレンツェで活躍し,バザーリポントルモとメディチ家の別荘の装飾にも参加した。作品は『聖母子と聖ヨハネ』 (ウィーン美術史美術館) など。

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