日本大百科全書(ニッポニカ) 「フランチアビジオ」の意味・わかりやすい解説
フランチアビジオ
ふらんちあびじお
Franciabigio
(1482ころ―1525)
イタリアの画家。フィレンツェ生まれ。本名フランチェスコ・ディ・クリストファノFrancesco di Cristofano。アルベルティネッリMariotto Albertinelli(1474―1515)とピエロ・ディ・コジモPiero di Cosimo(1462―1522)のもとで画業を学び、サンティッシマ・アヌンツィアータ聖堂の修道院でアンドレア・デル・サルトとともに壁画の制作に携わる。16世紀初頭のフィレンツェで隆盛をみた、レオナルド・ダ・ビンチやラファエッロの影響による盛期ルネサンスの古典主義的画家の一人で、才能豊かとはいいがたいが、叙情味のある作品を残した。代表作にはカルツァ修道院の『最後の晩餐(ばんさん)』やポッジョ・ア・カイアーノのメディチ家別荘の広間の壁画などがある。そのほか聖母子画や肖像画にも佳作が少なくない。
[石鍋真澄]