ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フリードリヒ5世」の意味・わかりやすい解説
フリードリヒ5世
フリードリヒごせい
Friedrich V
[没]1632.11.29. マインツ
ファルツ選帝侯兼ボヘミア王 (在位 1619) 。三十年戦争時代のプロテスタント諸侯の一人。 1610年父の跡を継いでファルツ選帝侯位につき,プロテスタント同盟の指導者となる。ボヘミアでオーストリア・ハプスブルク家への反抗が始り,三十年戦争が開始されると,19年プロテスタント貴族に推されてボヘミア王となった。しかし翌年には早くもワイセルベルクの戦いで皇帝軍に敗れ,ボヘミア王の地位は1年も続かず,「冬王」のあだ名で呼ばれた。その後カトリック連合の追撃を受け,ファルツは占領され,選帝侯の地位もバイエルン公マクシミリアン1世に譲らねばならなかった。余生をオランダおよびスウェーデンに寄食して過した。妃はイングランド王ジェームズ1世の王女,末娘はハノーバー公ゲオルク,のちのイギリス王ジョージ1世の母である。
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