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(読み)メン

デジタル大辞泉の解説

めん【免】

やめさせること。免官・免職。
「卑(ひく)い処では―が恐いという肚(はら)で」〈紅葉・二人女房〉
ゆるすこと。免除すること。
「―ヲヤル」〈日葡
江戸時代石高(こくだか)または収穫高に対する年貢高の割合。免合(めんあい)。

めん【免】[漢字項目]

常用漢字] [音]メン(呉) [訓]まぬかれる まぬがれる
見逃してやる。まぬかれさせる。まぬかれる。「免疫免罪免除免税免責減免赦免放免宥免(ゆうめん)
許可する。「免許免状天下御免
職を解く。仕事をやめさせる。「免職任免罷免

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百科事典マイペディアの解説

免【めん】

免相(めんあい)(免合)とも。江戸時代の貢租率ないしは貢租額をいう。石高に対する年貢高(領主取り分)の割合で,〈免一つ壱分壱厘壱毛〉と表示されれば11.11%のこと。ところで〈免〉は免じるの意であり,中世までは給免田雑事(ぞうじ)免,浮(うき)免などと,本来の意で用いられていた。用法の逆転は慶長〜元和期(1596年―1624年)に起こったとされているが,なぜ逆転したかについては諸説があって定まっていない。

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世界大百科事典 第2版の解説

めん【免】

江戸時代の貢租率ないしは貢租額の意。〈免相(合)(めんあい)〉ともいう。納租額を記して領主から村方に交付する文書を〈免定(状)(めんじよう)〉と呼び,また各百姓への割付けを〈免割(めんわり)〉と称した。《田法雑話》には〈田畠の高壱石に付て米何程と云あたりを免と云〉とあり,《地方凡例録(じかたはんれいろく)》も〈仮令ば下田高弐百石,免三つにて此取米六拾石〉としている。この免を基礎に,ならし免,土免(つちめん),定免(じようめん),段免などの用語も生まれた。

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大辞林 第三版の解説

めん【免】

やめさせること。 「矢張-を喰つたぢやあないか/浮雲 四迷
ゆるすこと。まぬかれること。 「 -ヲヤル/日葡」
中世、年貢の免除・減免。江戸時代には、田租を賦課する割合をいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


めん

中世においては、干害・風害などによって年貢(ねんぐ)を免除または減免することを意味したが、江戸時代においては、検地による生産高の把握が行われたことから、その意味も年貢を賦課するときの租率の意に変わった。免は「幾ツ何分何厘何毛」で表すが、「免五ツ三分」とは年貢率5割3分のことである。石高(こくだか)100石に対して免が「五ツ三分」であれば、石高に5割3分の免を乗じて年貢高は53石となる。関東地方などにおいては、一反につき「何斗何升何合取り」という反取(たんどり)が実施されていたため、この免によって年貢が賦課されていた所は少ない。また、免という文字がつく用語例に、一定額の年貢率を賦課する定免(じょうめん)や、凶作などで例年のように年貢を賦課することができない破免(はめん)などがある。[川鍋定男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のの言及

【年貢】より

…まず代官所において,検地により確定された石高(こくだか)(または面積)を基準とし,その年の作柄を検見(けみ)した結果にもとづいて年貢納入高を決定する。これを小物成,浮役などと一緒に年貢割付状(可納割付(かのうわつぷ),免状ともいう)に記し,村請(むらうけ)の原則に従って村の名主,惣百姓中あてに下付すると,村では農家の所持石高に比例した高割りによって各戸の賦課高を決定する。この内,村の年貢高を決める方法は,時代によって変化している。…

※「免」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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