フロッピーインファント(読み)ふろっぴーいんふぁんと

家庭医学館 「フロッピーインファント」の解説

ふろっぴーいんふぁんと【フロッピーインファント】

 筋肉がやわらかくなってぐにゃぐにゃする(フロッピー)乳幼児(インファント)という意味です。低緊張乳児(ていきんちょうにゅうじ)、フロッピーベビーともいいます。
●原因
 原因は、脳、脊髄せきずい)、末梢神経(まっしょうしんけい)、筋肉と神経の接合部などの病気染色体異常で、筋(きん)ジストロフィー重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)、先天性ミオパチー、ウェルドニヒ・ホフマン病など、さまざまな病気でおこります。
●症状
 筋肉の緊張度が低下してやわらかくなり、正常な子どもにはみられない特異な姿勢になります。
 くびの座り、お座り、歩行などの発達が、正常な子どもと比べると遅れます。
検査診断
 詳細な診察がたいせつで、とくに腱反射(けんはんしゃ)の有無が、原因となる病変がどこにあるかを推定するうえで重要です。
 採血し、そこに含まれるクレアチンキナーゼ(筋肉の酵素(こうそ))、GOT、GPTのほか、乳酸(にゅうさん)、ピルビン酸などの値を調べます。
 頭部のMRI、ときに筋電図(きんでんず)、末梢神経伝導速度(まっしょうしんけいでんどうそくど)などの検査もします。
 筋肉の病気が疑われた場合は、筋生検(きんせいけん)を行ないます。
 近年は、染色体や遺伝子の検査で診断のつく病気も出てきました。
●治療
 重症筋無力症を除けば、特別な治療法がありません。
 抵抗力が弱いので、健康管理に気をつけます。
 運動発達を促進するための訓練関節拘縮(かんせつこうしゅく)(かたまって関節が動かせなくなる)を防ぐためのストレッチ体操を行ないます。
 社会への適応をはかるため、早期から保育園幼稚園などの通園施設に入園させるほうがよいでしょう。

出典 小学館家庭医学館について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android