日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブリッティング」の意味・わかりやすい解説
ブリッティング
ぶりってぃんぐ
Georg Britting
(1891―1964)
ドイツの小説家、詩人。第一次世界大戦には学業なかばで志願兵となり、重傷を負って帰還。1920年以後ミュンヘンで作家生活を送った。その散文作品や叙情詩は、しばしばバイエルンの自然と風土、市民や農民の日常生活に取材したテーマを扱い、ためにナチス時代には「民族的」と歓迎されたこともあるが、認識可能な現実の背後に根元的で超自然的(デモーニツシユ)な力を探ろうとしている。ドナウ川流域の生活を描いた短編集『河畔の小世界』(1932)、簡潔な用語と洗練された形式による詩集『現世の日』(1935)、『ワイン賛歌』(1942)、また表現主義的長編小説『ハムレットなる男の人生』(1932)などがある。
[横塚祥隆]