ブルドン管(読み)ブルドンカン(その他表記)Bourdon tube

デジタル大辞泉 「ブルドン管」の意味・読み・例文・類語

ブルドン‐かん〔‐クワン〕【ブルドン管】

圧力温度計測に用いられる、中空で扁平な曲がった管。圧力計の場合、管内気体の圧力が高くなると管が変形し、その先端変位から圧力を計測する。温度計の場合、アルコールなどを封入し、温度が高くなると管が膨張して液面が移動することを利用する。曲がり形状には円弧、渦巻きらせん、つる巻きらせんなどがある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブルドン管」の意味・わかりやすい解説

ブルドン管
ブルドンかん
Bourdon tube

E.ブルドンが考案した金属管で,圧力計や温度計に用いられる。一端または両端を閉じ,楕円形などの扁平な断面をもつ薄い金属製の弾力のある管で,普通は円弧状または渦巻状にしてある。管内の気体または液体の圧力が増すと,断面が円形に近づいて管はまっすぐになろうとするから,一端を固定しておけば閉じた自由端の変位によって管内の圧力が測定される。これがブルドン管圧力計で,真空から 200気圧までと圧力の測定範囲が広く,構造や使用法が簡単なので,工業用に多用されている。また,封入した気体または液体の熱膨張による自由端の変位により温度をはかるのがブルドン管温度計である。

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世界大百科事典(旧版)内のブルドン管の言及

【真空計】より

…真空の程度を,大気圧を基準にした負圧で示したり,気体の減少の度合を百分率で表示したりすることも行われるが,一般的ではない。 大気圧から,だいたい102Pa(約1Torr)までは,U字管に液体を入れてその液面の高さの差から圧力を読みとるマノメーターmanometerや,ブルドン管などの弾性変形量から内外圧力差を読みとる真空計が多く使われる。これ以下の圧力領域(中・高真空領域)では,圧力の直接測定は容易でなく,気体の圧縮操作を介在させたマクラウド真空計McLeod gaugeや,気体の圧力と関数関係にある他の物理量,例えば分子密度,入射頻度,粘度,熱伝導度などの測定から圧力を間接的に求める真空計による。…

※「ブルドン管」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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