ブロッキ(その他表記)Brocchi, Virgilio

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブロッキ」の意味・わかりやすい解説

ブロッキ
Brocchi, Virgilio

[生]1876. リエーティ
[没]1961. ネルビ
イタリア小説家社会主義的な正義感,雑多な宗教観,生来の楽観的な感傷基軸に,写実的な手法で膨大な長短編小説群を著わした。初期の代表作『魅惑』 Il fascino (1902) ,『鷲』 Le aquile (06) ,『ジロンダ』 La Gironda (09) などには,道徳的色調が濃厚であり,特に『ミティー』 Mití (17) で文名を高めた。後期の『ネッティー』 Netty (24) ,『神秘の薔薇』 Rosa mistica (31) ,『喊声』 La gran voce (40) ,『罠』 Il laccio (54) ,『罪深い女たち』 Peccatrici (58) などは,次第に既成の道徳観を脱して自由な思想の作品となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブロッキ」の意味・わかりやすい解説

ブロッキ
ぶろっき
Virgilio Brocchi
(1876―1961)

イタリアの小説家。高校で長年文学を教えたのち、小説家に転じ、『ミティ』(1917)で成功を収め、作家としての地位を確立した。初期の小説は発生期の社会主義を理想化した道徳主義的色彩の濃いものだったが、円熟期の『ネティ』(1924)や大河小説の『男の息子』(1921~28)では、ロンバルディア地方のブルジョアジーの生活が複眼的視点からリアルに描かれるようになった。

[竹山博英]

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