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大河小説 たいがしょうせつ roman-fleuve

翻訳|roman-fleuve

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

大河小説
たいがしょうせつ
roman-fleuve

ある人物,家族,あるいは一群の人物を中心に,一時代の社会を広くとらえようとした,きわめて長い小説。元来 R.ロランの『ジャン=クリストフ』 (10巻,1904~12) ,プルーストの『失われた時を求めて』 (7部,13~27) をはじめとする 20世紀前半の一群のフランス小説についていった言葉で,初め A.モーロアが用い,大河のような時の流れのうちに展開される小説という意味であった。

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デジタル大辞泉の解説

たいが‐しょうせつ〔‐セウセツ〕【大河小説】

一個人や一群の人々の生涯や歴史を、時代の流れとの関連のなかでとらえていこうとする壮大な長編小説。1920年代、フランスに始まる。ロマン=ロランが自作「ジャン=クリストフ」を大河にたとえたことに由来する。マルタン=デュ=ガールの「チボー家の人々」、デュアメルの「パスキエ家の記録」など。

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百科事典マイペディアの解説

大河小説【たいがしょうせつ】

20世紀フランスに生まれた長大な小説をさす。大衆社会と個人という視点から,時代の流れをとらえようとする。マルタン・デュ・ガールの《チボー家の人々》,プルーストの《失われた時を求めて》はその典型。

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大辞林 第三版の解説

たいがしょうせつ【大河小説】

一群の人々の生涯や家族の歴史などを、社会的・時代的背景とともに広い視野から描く大長編小説。二〇世紀初期のフランスに始まる。ロマン=ロランの「ジャン=クリストフ」、マルタン=デュ=ガールの「チボー家の人々」、ジュール=ロマンの「善意の人々」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

大河小説
たいがしょうせつ
roman-fleuve

1920~30年代に書かれたフランスの大長編小説の一形式。この用語は、R・ロランが自作『ジャン・クリストフ』を大河に例えたことに由来し、A・モーロアの使用を経て、1930年ころに一般化した。しかし、チボーデが「連鎖小説」roman-cycleという用語をあてているように、かならずしも一時代の一小説形態をさす用語として定着しているわけではない。
 主たる特徴は、大河のように流れる時間を軸に、それに絡む人物や社会を総体として描き出すことにある。構成上、個人、世代、社会集団のいずれかを中心に据えるが、人類学者のレビ・ストロースやデュメジルGeorges Dumzil(1898―1986)流にいえば、作家の視点はつねにその総体の「線的」本質に置かれている。この点、バルザックやゾラの試みた断片の総合とは異なる。そこに、ベルクソンの持続観やデュルケームの社会観をみることは可能である。代表作として、前記『ジャン・クリストフ』のほかに、プルーストの『失われた時を求めて』、マルタン・デュ・ガールの『チボー家の人々』、デュアメルの『パスキエ家年代記』、J・ロマンの『善意の人々』をあげることができよう。しかし、第二次世界大戦後は、トロワイヤを除いてこの種の小説の書き手はいない。諸問題の複雑化が総体としての「線的」構築を困難にしているのかもしれない。アラゴンの『レ・コミュニスト』、サルトルの『自由への道』の中断は、その端的な証拠といえよう。[中條 忍]
『菅野昭正他著『大河小説の時代』(『フランス文学講座2 小説』1978・大修館書店)』

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世界大百科事典内の大河小説の言及

【チボー家の人々】より

…1922‐40年刊。20世紀フランス文学の代表的な〈大河小説〉のひとつと目されているこの作品は,8部11巻より成り,作者は完成までに18年の歳月を費やしている。第1部《灰色のノート》,第2部《少年園》,第3部《美しい季節》,第4部《診察》,第5部《ラ・ソレリーナ》,第6部《父の死》,第7部《1914年夏》,第8部《エピローグ》というふうに構成されているこの大作は,20世紀初頭から第1次大戦にかけての十数年を時間の枠組みとしている。…

【フランス文学】より

…また,あらゆるものに皮肉な疑いを向け,その懐疑をいわば微温的に享楽していたアナトール・フランスの小説も,世紀末的な傾向の側面を示している。
[シュルレアリスムと大河小説]
 世紀末文学の延長のようにして始まった20世紀の文学は,やがて独自の相貌を力強く現し始める。とりわけ〈象徴主義〉の影響から出発し,自我の内面に厳しい視線を注ぎつづけ,そこから豊饒な鉱脈を探りあてたバレリーの詩,クローデルの劇作,プルーストの小説は,フランス文学に新しい活力をもたらした。…

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