ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説
プトレマイオス12世アウレテス
プトレマイオスじゅうにせいアウレテス
Ptolemaios XII Aulētēs
[没]前51
プトレマイオス朝の王 (在位前 80~58,前 55~51) 。笛吹き王 (アウレテス) と呼ばれた。正式の称号はプトレマイオス 12世テオス・フィロパテル・フィラデルフォス・ネオス・ディオニュソス・アウレテス。父はプトレマイオス9世だが,母は不明。彼は王家の正統の子孫ではなかったが,前 80年に前王が死ぬと王位についた。そのすぐあとで彼は妹クレオパトラ5世と結婚。その後,民衆によって追放され,前 58~55年ローマで亡命生活をおくった。その頃ローマではエジプト占領を主張する声が強かったが,彼はユリウス・カエサルに贈賄するなどして再び王位についた。アレクサンドリアで主権を握っていた娘ベレニケ4世を処刑し,前 51年幼少の長男に王国を譲り,その後見としてローマを選んだ。
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