日本大百科全書(ニッポニカ) 「プランビコン」の意味・わかりやすい解説
プランビコン
ぷらんびこん
Plumbicon
テレビジョン用撮像管の一種で、1963年オランダのフィリップス社が開発したもの。プランビコンはビジコンと同様、光導電現象を利用した撮像管であるが、感度、残像、暗電流などの特性がビジコンに比較して大幅に改善され、また小型で長寿命のうえ、予熱時間が短くてすむなどの優れた特長があったため、1960年代前半までテレビ用撮像管の主流であったイメージオルシコンに完全にとってかわられた。ターゲット部はビジコンとやや異なり、光導電膜として酸化鉛PbOの蒸着膜が用いられており、pin形接合を形成している。膜の厚さは全体で10~20マイクロメートルで、中間のi層の部分がほとんどの厚さを占めている。管径の種類としては1+1/4インチ、1インチ、2/3インチなどがあった。電荷結合素子(CCD)が実用化されだした1970年代以降はCCDに置き換えられた。なお、プランビコンは、フィリップス社の商標名が一般名となったものである。
[木村 敏・金木利之・吉川昭吉郎]