普及版 字通 の解説
7画
(異体字)
12画
[字訓] たすける・せわしい
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
(こう)+由。の上に由をおく形。金文の字形はに作り、上に二由をおく形。由はおそらく礼器。(寧)が盤上に心(犠牲の心臓)をおく形であるように、も上に由をおき薦める形で、神意をたすけ安んずる意味をもつ儀礼であろう。周初の金文の〔班(はんき)〕に「(くわく)の(職事)を(つ)ぎて、王位を(たす)けよ」、また〔毛公鼎〕「が位を(たす)けよ」のように、輔弼の意に用いる。〔説文〕五上に「亟(すみ)やかなる詞なり。に從ひ、由に從ふ」とするが、その会意の意味を説くところがない。〔説文〕にまた「或いは曰く、(へいけふ)なり。三輔にては、戝を輕んずるを謂ひてと爲す」という。とは、男だての類をいう。声の字に・娉など敏捷の意があるので、その意をとるものであろう。婦人が祭祀にいそしむことを示す(敏)・捷にも、速やかの意がある。〔爾雅、釈訓〕に「(へいほう)は掣曳(せいえい)なり」とあり、はまた(へいほう)にも作り、〔山海経、大荒西経〕にみえる怪獣の名である。その状の娉(へいてい)たるところから名をえたものであろう。金文ののように、祝告の器の形である(さい)をそえるものがあり、はもと、神助を求める祝の儀礼に関する字であることが知られる。
[訓義]
1. たすける。
2. せわしい、すみやかにする。
3. ひく、ひきよせる、さそう。
4. と通じ、おとこだて。
[古辞書の訓]
〔字鏡集〕 ヒキハサム・コトバ・ヒク
[声系]
〔説文〕に声として・騁・聘・娉・など八字を収め、また〔説文〕五上に「(てい)は定息するなり。血に從ひ、の省聲なり」と字をの省声とし、「讀みて亭(てい)の(ごと)くす」という。騁もまたその声によむ。
[語系]
・・娉・聘phiengは同声。みなの声義を承けるところのある字である。(へいほう)をまたに作ることからいえば、piengは声義の関係のある語であろう。
[熟語]
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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報