敏捷(読み)びんしょう

精選版 日本国語大辞典 「敏捷」の意味・読み・例文・類語

びん‐しょう ‥セフ【敏捷】

〘名〙 (形動)
動作のすばやいこと。はしこいこと。また、そのさま。
※古活字本毛詩抄(1539)一八挙動の敏捷にはやいを云ぞ。ぬたにはないぞ」
マヤと一緒に(1962)〈島尾敏雄〉「その時の敏捷(ビンショウ)な身のこなしを」 〔漢書酷吏伝・厳延年〕
② かしこくて理解判断が早いこと。また、そのさま。
※翰林葫蘆集(1518頃)九・興宗明教禅師行状「幼而敏捷、碧岩集百則過目背誦」
学問のすゝめ(1872‐76)〈福沢諭吉〉五「其智慧頗る敏捷にして」

はしこ・い【敏捷】

〘形口〙 はしこ・し 〘形ク〙 利口で、挙動がはやい。知覚も動作も鋭くすばやい。機敏である。敏捷である。すばしこい。はしっこい。
浄瑠璃・当麻中将姫(1714頃)一「やくにたたずのくせとして、はしこさうに出しゃばる」
旧主人(1902)〈島崎藤村〉一「私の叔母でも、母親でも強健(つよ)い捷敏(ハシコ)気象です」
はしこ‐げ
〘形動〙
はしこ‐さ
〘名〙

はしか・い【敏捷】

〘形口〙 はしか・し 〘形ク〙 「はしこい(敏捷)」の変化した語。
仮名草子清水物語(1638)下「諸人ひとつはちゑのはしかきにおそれ、一つはきげんそこなはじと思ひ」
はしか‐さ
〘名〙

はしっこ・い【敏捷】

〘形口〙 「はしこい(敏捷)」の変化した語。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)四「鼬岩がはしっこいと来て居るから」
はしっこ‐さ
〘名〙

はしか・し【敏捷】

〘形ク〙 ⇒はしかい(敏捷)

はしこ・し【敏捷】

〘形ク〙 ⇒はしこい(敏捷)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「敏捷」の意味・読み・例文・類語

びん‐しょう〔‐セフ〕【敏×捷】

[名・形動]
動作がすばやいこと。また、そのさま。「敏捷な身のこなし」「敏捷性」
理解や判断が早いこと。また、そのさま。
「其智慧すこぶる―にして」〈福沢学問のすゝめ
[派生]びんしょうさ[名]
[類語]敏速敏活電光石火速やか速い素早いすばしこい手早いはしこいさっとちゃちゃとちゃちゃっとさっさとっとと急ピッチ迅速クイックスピーディーハイペース目にもとまらぬ手ばしこい身軽い身軽軽軽かるがる軽快かろやか簡捷かんしょう手早足早早足小走り機敏一瀉いっしゃ千里矢の如しはかばかしいひらりひょいひょいひょいぴょんぴょんぴょんてきぱきしゃきしゃききびきびずんずんついとつっとつとすいとすっとぱっとすたすた

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「敏捷」の読み・字形・画数・意味

【敏捷】びんしよう(せふ)

すばしこい。〔漢書、酷吏、厳延年伝〕年、人と爲り短小悍、事に捷なり。

字通「敏」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android