人間の視野に実際の風景とともに情報を虚像として表示する装置。航空機や自動車などの操縦に必要な情報を、操縦者の視界にあるフロントガラスに投影し、外界を見た状態のまま、視線を大きく動かさなくても計器類等の情報を把握することができる。HUD(ハッド)と略す。通常のHUD装置本体は、操縦者とフロントガラスの間に組み込まれている。操縦者の視界の中に投影したい情報を、いったん、液晶ディスプレーなどに映像化して表示し、その表示した映像をフロントガラスに反射させることによって操縦者が透過的に表示内容を見られるようにしている。
もともと戦闘機のコックピットに、透過的に情報を表示する軍事技術として開発された。2000年ごろから民生分野の自動車や医療向けとしても開発が進んでいる。自動車向けの場合、表示の大型化やカラー投影するための応用が進む一方、ドライバーが運転中に見ている視界と投影する表示内容を一体化させる、拡張現実(AR)の開発も実用段階に入っている。また、遠方に焦点があるドライバーの視点の中間位置に映像表示するため、映像のゆがみや二重化が起こりやすいという現象をなくすため、片目だけの視野にHUDの映像を投影する単眼式表示技術という新たな方式も登場している。
[編集部]
…エンジン計器は飛行・航法計器の右におくことが多いが,機体によっては他の位置もあり,また副操縦席がある場合は,操縦席および副操縦席正面の飛行・航法計器の中間にまとめる。
[ヘッドアップディスプレー]
計器を見るために操縦者が外界から視線をそらすことは安全上好ましいことではない。このため必要な計器情報をCRT上に集め,これを操縦者前方の透明パネルに映し出すことによって外界の視野とともに見えるようにした表示装置をヘッドアップディスプレーhead up displayという。…
…主翼を巡航時には横に延伸し高速時には後退させる可変後退翼により,航続距離と高速性を両立させる方法もあるが,機構が複雑となり利害得失がある。 現代の戦闘機は,射撃管制装置と連動したヘッドアップディスプレーを持ち,有効に武器が発射できるようになっている。ヘッドアップディスプレーは,操縦士の目前に斜めに置かれた半透明のガラスで,操縦士はそれを通して外部を見つつ,武器に応じて映し出される照準マークの中にレーダーまたは目視で捕捉した目標を入れるよう自機を操縦し,武器を発射すれば命中する機構になっている。…
※「ヘッドアップディスプレー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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