ヘビノボラズ(読み)へびのぼらず

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘビノボラズ」の意味・わかりやすい解説

ヘビノボラズ
へびのぼらず / 蛇不登
[学] Berberis sieboldii Miq.

メギ科(APG分類:メギ科)の落葉低木。長枝に葉の変形した刺(とげ)がある。葉は短枝に束生し、倒披針(とうひしん)形から広倒披針形で縁(へり)に刺毛状の細かい鋸歯(きょし)がある。散形状の総状花序をつくり、黄色花を開く。萼片(がくへん)、花弁ともに6枚、各花弁の基部に蜜腺(みつせん)が2個ある。雄しべは6本、葯(やく)は弁開する。雌しべは1本、子房は1室。果実は赤い液果。日本特産の植物で、中部地方以西の本州および九州に分布する。名は、枝の刺が鋭いので、ヘビも登らないという意味である。

[寺林 進 2019年9月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘビノボラズ」の意味・わかりやすい解説

ヘビノボラズ(蛇登らず)
ヘビノボラズ
Berberis sieboldii

メギ科の落葉小低木。日本特産で,中部地方とまれに九州に野生する。トリトマラズ,コガネエンジュともいう。高さ 50~70cmほどで無毛,とげがある。葉は長倒卵形で先端はとがり,縁には小刺毛が密に並ぶ。葉は節に固まってつき,その下に刺針がある。5月頃に,散形の総状花序を出して黄色の花を数個下向きにつける。萼片と花弁は各6枚,おしべも6本ある。液果はやや球形で,熟すると暗赤色となる。

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