液果(読み)エキカ

デジタル大辞泉 「液果」の意味・読み・例文・類語

えき‐か〔‐クワ〕【液果】

3層からなる果皮うち、中果皮または内果皮が多肉質水分が多く、軟らかい果実ミカントマトブドウなど。漿果しょうか多肉果。→乾果

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精選版 日本国語大辞典 「液果」の意味・読み・例文・類語

えき‐か‥クヮ【液果】

  1. 〘 名詞 〙 果皮が肉質で汁液を多く含む果実の総称心皮構成や果皮の分化の違いにより柑果(かんか)(ミカン)、漿果(しょうか)(ブドウ)、瓜果(かか)スイカ)などに分類される。多肉果。湿果。⇔乾果

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「液果」の意味・わかりやすい解説

液果
えきか

心皮が発達した果皮のうち、とくに中果皮の部分が水分を多く含む細胞となり、液質になる果実のこと。果皮が乾燥して薄くなっている乾果に対していう。漿果(しょうか)ともいう。ブドウやキウイフルーツの果実は液果である。

吉田 治]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「液果」の意味・わかりやすい解説

液果
えきか
sap fruit; succulent fruit

多肉果,湿果ともいい,乾果に対する語。多肉化した果皮が成熟後も水分を多くもっている果実である。トマト,モモ,カキ,ミカンなどがこれに相当する。広義には,ナシリンゴウリなども含める。心皮の数や果皮の分化の違いなどによって,さらに,漿果,核果 (石果) ,ミカン状果 (柑果) ,ナシ状果,ウリ状果などに分けられる。

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世界大百科事典(旧版)内の液果の言及

【ベリー】より

…果実の一種で植物学的には液果と呼ばれる。果皮のうち中果皮,内果皮が水分の多い肉質の柔らかい組織となり,熟しても裂けず,やや堅い種子をもつものをいい,ブドウ,カキ,トマトなどがその例とされる。…

【実】より

…果皮の形態に基づいて実を分類すると次のようになる。まず果皮が乾いている乾果dry fruitと多汁質の液果fleshy fruitに二大別され,乾果はさらに果皮が裂開して種子が外へ出る裂果dehiscent fruitと裂開しない閉果indehiscent fruitに分けられる。裂果はふつう多数の種子をもつ実にみられ,裂開は離生めしべでは,心皮の辺縁の合着部(シャクヤク),心皮の背側(モクレン),合着部と背側の両方(マメ類)にそって起こる(図4)。…

※「液果」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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