ヘムステルホイス(読み)へむすてるほいす(英語表記)Franciscus Hemsterhuis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘムステルホイス」の意味・わかりやすい解説

ヘムステルホイス
Hemsterhuis, Franz

[生]1721.12.27. フラーネケル
[没]1790.7.7. ハーグ
オランダ哲学者。美的汎神論的新プラトン主義に立ち,のちのドイツ・ロマン派に影響を与えた。数学者ティベリウス・ヘムステルホイスを父とし,数学,天文学,物理学などを学び,1747年以来ライデンでギリシアローマ古典を研究。 J.ロックや A.クーパーなどの影響を受けた。彼による美の定義「美とは最短の時間のうちに,最大多数の観念を告げるものである」は,よく知られている。主著『彫刻論』 Lettre sur la sculpture (1769) ,『人間とその関係』 Lettre sur l'homme et ses rapports (72) ,『シモン』 Simon (90) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘムステルホイス」の意味・わかりやすい解説

ヘムステルホイス
へむすてるほいす
Franciscus Hemsterhuis
(1721―1790)

オランダの哲学者。父は著名なギリシア学者・数学者。ニュートンシャフツベリー、ロックの影響を受け、ソクラテスプラトン思索模範であった。彼は哲学の根本を自分自身を知ることに求める。汎神(はんしん)論的新プラトン主義の立場にたち、非合理主義の流れをくむ。ドイツのシュトゥルム・ウント・ドラング疾風怒濤(しっぷうどとう)時代)、ロマン主義に影響を及ぼし、啓蒙(けいもう)主義の克服に寄与した。

[常葉謙二 2015年11月17日]

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