日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベイラ」の意味・わかりやすい解説
ベイラ(動物)
べいら
beira
[学] Dorcatragus megalotis
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。ヤギレイヨウともいう。アフリカのソマリアとエチオピアの一部に分布し、岩の多い荒れ地や山地に生息する。肩高55~76センチメートル、体重9~11キログラムで、雌のほうが大きい。角(つの)は雄だけにあり、長さ7~10センチメートル。体色は赤みがかった灰色で、腹面は淡黄色。普通6~7頭で生活し、群れには雄が1~2頭含まれる。行動圏ははっきりしており、一つの丘に一つの群れしかみられないという。食物は岩地などに生える木の葉や草で、水のない所でも生活できる。雨期の初めに1産1~2子を産むらしいが、生態などはほとんどわかっていない。生息地も狭く、生息数も少なく約1000頭といわれる。
[今泉忠明]