ベイラ(読み)べいら(英語表記)Beira

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベイラ」の意味・わかりやすい解説

ベイラ(動物)
べいら
beira
[学] Dorcatragus megalotis

哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。ヤギレイヨウともいう。アフリカソマリアエチオピアの一部に分布し、岩の多い荒れ地や山地に生息する。肩高55~76センチメートル、体重9~11キログラムで、雌のほうが大きい。角(つの)は雄だけにあり、長さ7~10センチメートル。体色は赤みがかった灰色で、腹面は淡黄色。普通6~7頭で生活し、群れには雄が1~2頭含まれる。行動圏ははっきりしており、一つの丘に一つの群れしかみられないという。食物は岩地などに生える木の葉や草で、水のない所でも生活できる。雨期の初めに1産1~2子を産むらしいが、生態などはほとんどわかっていない。生息地も狭く、生息数も少なく約1000頭といわれる。

[今泉忠明]


ベイラ(モザンビーク)
べいら
Beira

アフリカ南東部、モザンビーク中部の港湾都市モザンビーク海峡に臨むプングウェ川河口北岸に位置し、首都マプートに次ぐ同国第二の貿易港である。人口41万2588(1997)。1899年にここから内陸ローデシア(現ジンバブエ)の首都ソールズベリー(現ハラーレ)にまで鉄道が開通し、ベイラはローデシアの農産物輸送と輸入品への関税収入で栄えた。その後この鉄道はザンビアコンゴ民主共和国(旧ザイール)へと延長され、またマラウイに至る鉄道も完成し、内陸諸国のインド洋への門戸として、ベイラの地位は高まった。

[林 晃史]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベイラ」の意味・わかりやすい解説

ベイラ
Beira

モザンビーク中東部,インド洋にのぞむ港湾都市。ソファラ県の行政庁所在地。 1891年ポルトガルのモザンビーク会社の根拠地として建設され,1910年代に船舶への石炭補給港として北西部のテテ県の産炭地と鉄道で結ばれて以来急速に発展。アフリカ大陸横断鉄道の起点で,アンゴラ南アフリカ共和国,ジンバブエ,ザンビア,コンゴ民主共和国,マラウイなどと結ばれ,アフリカ中部のインド洋への出口として重要。特にジンバブエとマラウイにとっては主要港となっている。おもな輸出品は砂糖,トウモロコシ,茶,綿花,皮革のほか,ジンバブエのクロム鉱石,銅,亜鉛,タバコなどで,輸入品は石油,肥料,小麦,鉄道部品,自動車,繊維製品など。人口 29万 8847 (1991推計) 。

ベイラ
Beyla

ギニア南東部の町。カンカン南南東約 200kmに位置。 13世紀初期に奴隷,コーラナッツの交易地として建設。現在は米,タバコ,コーヒー,ウシ,パーム油,パーム核などの集散地。西方にダイヤモンドの産地,北方のシマンドゥ山に鉄鉱石の鉱脈がある。人口1万 970 (1983推計) 。

ベイラ
Beira

ポルトガル中北部の地方。ドーロ川沿岸からテージョ川上流域にまで広がる地域。8世紀にムーア人から奪回したが,15世紀までその攻撃が継続した。アベイロ,コインブラ,ビゼウ,グアルダ,カステロブランコの各県を含む。

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