モザンビーク海峡(読み)モザンビークかいきょう(英語表記)Mozambique Channel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モザンビーク海峡」の意味・わかりやすい解説

モザンビーク海峡
モザンビークかいきょう
Mozambique Channel

インド洋南西部,マダガスカル島とアフリカ大陸のモザンビークとの間の海域。南北約 1600km,最大幅約 950km,最小幅約 400km。最深部約 3000m。北から南へ暖流モザンビーク海流が流れる。北端部にはコモロを構成する三つの島と,フランス海外県のマヨット島がある。古くからアジア,アラブ,ヨーロッパの船が多く通過し,今日でもアラビア海大西洋を結ぶ航路となっている。モザンビーク側にはナカラベイラポルトアメリアモザンビークマプトマダガスカル側にはマハジャンガトリアリーなどの主要港がある。1971年末,スエズ以南のアフリカ東海岸の大陸棚では最初の海底油田兆候が認められ,天然ガス層も発見された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「モザンビーク海峡」の意味・わかりやすい解説

モザンビーク海峡
もざんびーくかいきょう
Mozambique Channel

インド洋南西部、アフリカ大陸南東部とマダガスカル島とを分ける海峡。もっとも狭い所はモザンビーク市とサンタンドレ岬の間の約400キロメートル、もっとも広い所で約960キロメートルある。北の入口にはコモロ諸島があり、南部にも小島がある。南東貿易風が卓越するが、北部では夏に北東貿易風が優勢になり、インド洋上で発生したサイクロンが南西に進んで海峡に入ってくることがある。モザンビーク海流(暖流)が北から南へ流れている。1498年にバスコ・ダ・ガマが喜望峰を迂回(うかい)してモザンビークに到達して以後、1869年にスエズ運河が開通するまで、ヨーロッパとアジアを結ぶ重要な航路であった。

[中村和郎]

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