ベイロン・ラクロア(読み)べいろんらくろあ(その他表記)Robert Veyron-Lacroix

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベイロン・ラクロア」の意味・わかりやすい解説

ベイロン・ラクロア
べいろんらくろあ
Robert Veyron-Lacroix
(1922―1991)

フランスハープシコードチェンバロ)奏者。パリ生まれ。パリ音楽院イブナットらに師事ピアノ、ハープシコードなどで一等賞を得て卒業。1949年以後、独奏者、室内楽奏者として活動。バロック音楽中心に、現代のハープシコード音楽にまで及ぶ広いレパートリーをもつ。フルート奏者ランパルの伴奏者としても活躍した。バッハラモーの作品を多数録音、豊かな表情とバランス感覚にあふれた解釈定評があった。59年(昭和34)初来日。67年にはパリ音楽院教授に就任して教育活動にも力を入れた。

[美山良夫]

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改訂新版 世界大百科事典 「ベイロン・ラクロア」の意味・わかりやすい解説

ベイロン・ラクロア
Robert Veyron-Lacroix
生没年:1922-91

フランスのハープシコード奏者。パリ音楽院でピアノ,ハープシコード,音楽理論を学び,1949年フランス国営放送でデビュー。その後独奏者,室内楽奏者として活躍,バロック音楽の再認識,再興に寄与した。堅実な中に現代感覚を盛り込んだ演奏様式,通奏低音の巧みなリアライゼーションに定評があり,フルート奏者ランパルJean-Pierre Rampal(1922- )をはじめ優れた奏者をメンバーとしたパリ・バロック合奏団を組織し,60~70年代に各地公演。またパリのスコラ・カントルムなどで教えた後,67年からパリ音楽院ハープシコード科教授として後進の指導にあたっている。
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百科事典マイペディア 「ベイロン・ラクロア」の意味・わかりやすい解説

ベイロン・ラクロア

フランスのハープシコード奏者,ピアノ奏者。パリに生まれ,パリ音楽院でY.ナットらに学ぶ。1949年にデビューし,以後パリを中心に独奏と室内楽に活躍。1953年にはフルート奏者のランパルらとパリ・バロック合奏団を組織し,1960年−1970年代に各地で公演した。パリのスコラ・カントルムほかで教育者としても活動し,1967年母校のハープシコード科教授。

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