ベッサリオン(読み)べっさりおん(英語表記)Johannes Bessarion

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベッサリオン」の意味・わかりやすい解説

ベッサリオン
べっさりおん
Johannes Bessarion
(1403―1472)

ビザンティン帝国末期の神学者、人文学者。トレビゾンド生まれ。ゲミストス・プレトン弟子。ニカイア大主教。フェッラーラフィレンツェ公会議では教会合同賛成派として活躍。ローマ教会枢機卿(すうききょう)に任命され、まもなくイタリアに亡命。ビザンティン帝国滅亡後は、亡命してきたギリシア人学者を保護、プラトンアリストテレスなどの著作を西方に紹介し、イタリア・ルネサンスの開花に寄与した。神学の著作も多い。

[森安達也 2015年2月17日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベッサリオン」の意味・わかりやすい解説

ベッサリオン
Bessarion, Johannes

[生]1400頃.トレビゾンド
[没]1472.11.19. ラベンナ
ビザンチン出身の人文主義者,神学者。のちにバジレウス Basileusと呼ばれた。 1437年ニカイアの大主教。東西両教会合同をはかるフェララ・フィレンツェ公会議に出席したが,合同を支持する彼の意見はビザンチン教会に拒絶された。そのままイタリアに残り,カトリック改宗,39年枢機卿に任命された。主著『プラトン誹謗者に駁して』 In calumniatorem Platonisのほかアリストテレスの『形而上学』,クセノフォンの『ソクラテスの思い出』のラテン語訳がある。今日伝わる最古のホメロス写本は彼の蔵書に含まれていたものである。

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