改訂新版 世界大百科事典 「ベリャーエフ」の意味・わかりやすい解説
ベリャーエフ
Aleksandr Romanovich Belyaev
生没年:1884-1942
ソ連邦のSF作家。さまざまな職業を転々としたが,長編《ドウエル教授の首》(1925)を発表して以来,文筆に専念し,数多くの作品を残した。豊かな科学技術的発想をおもしろい筋書の中で表現することを得意とし,あつかった題材も医学,生物学,物理学,宇宙航行学など,多岐にわたる。ときとして通俗に流れることがあり,また生前はむしろ不遇だったが,ソビエトSFの創始者の一人としての功績は大きい。〈ソ連のジュール・ベルヌ〉と呼ばれることもある。代表作はほかに《難船の島》(1927),《両棲人類》(1928),《無への跳躍》(1933),《ケーツ星》(1936),《アリエール》(1941)など。
執筆者:沼野 充義
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報