ベルゴンツィ(その他表記)Bergonzi, Carlo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベルゴンツィ」の意味・わかりやすい解説

ベルゴンツィ
Bergonzi, Carlo

[生]1924.7.13. ビダレンツォ
[没]2014.7.25. ミラノ
イタリアオペラ歌手。ジュゼッペ・F.F.ベルディの作品を中心に,ベルカント唱法のテノール(→声楽)として国際的な評価を得た。チーズ職人の父親のもとで働きながら歌手を目指した。第2次世界大戦でイタリア軍に参加したが,ナチス抵抗運動で逮捕され,ドイツの収容所で 2年を過ごした。パルマ音楽院で学び,1948年にバリトン歌手としてデビューしたが,1951年にテノール歌手で再デビュー。1955年,ジャコモ・プッチーニの『外套』でアメリカ合衆国デビューを果たした。1956~83年メトロポリタン歌劇場で 300回以上舞台に立ち,1994年カーネギー・ホールで引退コンサートを行なった。得意とした役柄は,『アイーダ』のラダメス,『イルトロバトーレ』のマンリーコ,『ラ・ボエーム』のロドルフォ,『蝶々夫人』のピンカートンなど。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語 後藤

改訂新版 世界大百科事典 「ベルゴンツィ」の意味・わかりやすい解説

ベルゴンツィ
Carlo Bergonzi
生没年:1924-

イタリアのテノール歌手。パルマ音楽院で学ぶ。第2次大戦中,反ナチス活動を行ってドイツ軍に捕らえられたが,幸運にも釈放され,終戦後オペラ歌手としてデビュー(初舞台は1948年ロッシーニの《セビリャ理髪師》)。しばらくバリトン歌手として歌っていたが,声質の変化に気づいてテノールに転向。51年再デビュー。国際的に活躍するようになり,各地聴衆ベル・カント美声を堪能させた。67年イタリア歌劇団の一員として初来日。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android