改訂新版 世界大百科事典 「ベルヌーイ数」の意味・わかりやすい解説
ベルヌーイ数 (ベルヌーイすう)
Bernoulli number
x/(ex-1)の原点におけるテーラー展開の係数Bkをベルヌーイ数と呼ぶ。B0=0,B1=-1/2,B2l+1=0(l≧1)である。またB2lはlが奇数のとき正,lが偶数のとき負である。B2=1/6,B4=-1/30,B6=1/42,B8=-1/30,B10=5/66,B12=-691/2730であり,ベルヌーイ数はすべて有理数である。ベルヌーイ数は数論やトポロジーなど数学の種々の分野に登場する。ヤコプ・ベルヌーイは確率の研究中に公式,
を見いだした。ここでをこえない最大の整数を表す。このことによってB2lはベルヌーイ数と呼ばれる。B2lをBlと書くことや(-1)l⁺1B2lをB2lと書くこともある。
執筆者:上野 健爾
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報