ペルトン水車(読み)ぺるとんすいしゃ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペルトン水車」の意味・わかりやすい解説

ペルトン水車
ぺるとんすいしゃ

500~1500メートルの高落差で、水量が少ない場合に用いられる水車。1870年アメリカのペルトンLester Allen Pelton(1828―1908)により考案された。ノズルから噴出した水を羽根車バケット(水受け)に衝突させ、羽根車を回転させる。羽根車は円板とその外周に取り付けられた通常18~30のバケットからなっている。バケットは鋳鋼または特殊鋼製の、中央に水切りをもつ椀(わん)状のもので、噴流は水切りで二分されてバケット内面を流れ、その周辺から流出する。発電用水車は一定速度で回転させる必要があるため、負荷の変化に対応して自動的にノズルのニードル弁が操作され、水量が調節される。

池尾 茂]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペルトン水車」の意味・わかりやすい解説

ペルトン水車
ペルトンすいしゃ
Pelton water turbine

衝動水車一種。円板の周囲に多数のバケット (碗状の水受け) を並べ,ノズルからの噴出水を衝突させて回転させる。アメリカ人 L.ペルトンの発明 (1889特許) 。水力発電用の水車の形式の一つで,高落差 (200~1800m) で比較的水量の少いところに適用される。ノズルの中央部にニードル弁を備え,弁棒を前後して水量を調節する。またノズルとバケットの間にデフレクタを備え,負荷が急激に減少した際に一時的に噴出水の方向をそらせる。部分負荷の効率が高く,ランナや腐食摩耗部の点検・交換が容易で,デフレクタやジェットブレーキによる急停止が可能な特徴をもつ。横軸型と立て軸型がある。

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