ホセア書(読み)ほせあしょ(英語表記)The Book of Hosea

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホセア書」の意味・わかりやすい解説

ホセア書
ほせあしょ
The Book of Hosea

旧約聖書』の十二小預言書の一つ。その最初に置かれている。ホセアアモスに続いて、紀元前750年ごろから北イスラエル王国において預言活動を始め、前722年、王国がアッシリア帝国によって滅ぼされるときにまで及んだ。彼は、王国の滅亡を神の審判によるものと考え、イスラエルヤーウェとの契約を破り、カナンの神バールを礼拝したことを、自分の家庭における妻ゴメルの背信行為という悲劇的な経験になぞらえて語った。しかし彼は、神の厳しい審判ののちに与えられる救いをも預言している。

[木田献一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホセア書」の意味・わかりやすい解説

ホセア書
ホセアしょ
Book of Hosea

旧約聖書の 12小預言書中の第1書。預言者として神に召されたホセアに対する神の試練と,その試練に耐えて不義の妻を許したホセアが,主を捨て,バールを礼拝し,宗教的にも道徳的にも腐敗したイスラエルの人々に,不義に対する神の罰と悔い改めによる罪のゆるしについて説くことが主たる内容

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