アモス(その他表記)Amos

翻訳|Amos

デジタル大辞泉 「アモス」の意味・読み・例文・類語

アモス(Amos)

紀元前8世紀中ごろのイスラエル預言者旧約聖書の「アモス書」はその預言集。

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改訂新版 世界大百科事典 「アモス」の意味・わかりやすい解説

アモス
Amos

前8世紀のユダ王国出身の預言者。旧約聖書の中で,預言者の名を冠した預言書の編まれている,いわゆる〈記述預言者〉の最初の人物である。アモスは預言で生計を立てる職業的預言者ではなく,ユダの山地テコアで小家畜の飼育とイチジク桑の栽培に携わっていた自由農民であったが,ヤハウェ召命を受けて立ち,ヤラベアム2世が統治する兄弟国イスラエルの首都サマリア,聖所のあるベテルとギルガルに赴き,そこで短期間,激しい社会・宗教批判を行って,ユダに帰った。彼は町の広場や神殿の庭に立って民衆に直接神の厳しい審判の言葉を衝撃として語る仕方と,審判預言の語りのスタイルを確立した。彼の批判は具体的には,イスラエルの自由民や社会的弱者を圧迫して,その権利を平然と踏みにじる富める者たちの非人間的感覚と,祭儀を頼む宗教的自己安心に向けられた。ヤハウェはこの国を,日常倫理の破壊のゆえに罰して滅ぼす決断を下したというのが,アモスの根本的確信であった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アモス」の意味・わかりやすい解説

アモス
あもす
Amos

紀元前8世紀中ごろイスラエルに登場した預言者。エルサレム南方の荒野テコア出身の牧者。当時アッシリアは、ティグラト・ピレセル3世(在位前745~前727)による世界帝国建設のため、地中海世界への大規模な侵略戦争を開始する直前にあり、北イスラエル王国支配階級半世紀に及ぶ泰平(たいへい)と繁栄におごり、農民を圧迫していた。アモスは、ベテルの聖所をはじめ、祭りに集まる人々に、社会悪と宗教的堕落を糾弾し、神の審判による王国の滅亡を預言した。このためベテルの祭司によって追放されたが、後世に大きな影響を残した。

[木田献一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アモス」の意味・わかりやすい解説

アモス
Amos

前8世紀頃,イスラエル王国に出現した最初の記述預言者。旧約聖書に『アモス書』がある。エルサレム南方約 20kmの古代都市テコアに生れ,ユダのウジア (在位前 783頃~742頃) とイスラエルのヤラベアム2世 (前 785頃~744頃) の時代に説法。その後,ヤラベアム2世の大司祭から国外退去を命じられ,消息を絶った。国民の罪を糾弾し,神の裁き,国家の滅亡,民の虜囚を預言した。彼の記述はその鋭い知性および力ある比喩とリズムによって,後世の加筆と明確に識別される。

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デジタル大辞泉プラス 「アモス」の解説

アモス

任天堂のゲーム「ゼルダの伝説」シリーズに登場する敵キャラクター。

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世界大百科事典(旧版)内のアモスの言及

【預言者】より

…隣国アラムの圧迫のためにフェニキアと結んで異教を導入したオムリの王朝を倒したエリヤ,エリシャが革命的な行動によって預言活動をなしえたのは,イスラエルが上層・下層の鋭い社会的対立によって国内的に分裂していたからである。一方,前9世紀以後中産階級層が力を得てくると直接の行動により社会変革をもたらすことは不可能となり,ここにアモス以下の〈言葉の預言者〉は国内の階級対立,国際的な大国依存を審判の言葉をもって批判し,問題の最後の解決である救済は歴史の終末にこれを期待するようになる。この〈行動の預言〉と〈言葉の預言〉の区別は最近の欧米の社会学的な預言研究における周辺的預言と中心的道徳性による預言の区別に応ずるものである。…

※「アモス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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