ほっかり(読み)ホッカリ

デジタル大辞泉 「ほっかり」の意味・読み・例文・類語

ほっかり

[副]
心地よい暖かみのあるさま。「ほっかり(と)暖かい焼きいも」
ほんのり明るいさま。ぽっかり。「ほっかり(と)明かりがともる」
突然であるさま。不意に現れるさま。ぽっかり。
記憶の底から―と浮んで来た」〈花袋・一兵卒の銃殺
うかつであるさま。うっかり。
「御遊興の最中なれば―とも行かれず」〈浄・浪花鑑
口や穴が大きくあいているさま。また、口を大きくあけて食いつくさま。
「いとしらしいお顔や。―と食ひ付きたい」〈浄・孕常盤

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精選版 日本国語大辞典 「ほっかり」の意味・読み・例文・類語

ほっかり

  1. 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
  2. 口や穴が大きくあいているさま、また、口を大きくあけてかぶりつくさまを表わす語。ぼっかり。ぽっかり。
    1. [初出の実例]「おとがひにあかがりが、ほっかりほっかりと、きれたりけり」(出典:虎明本狂言・丼礑(室町末‐近世初))
    2. 「ほっかりと食ひ附きたい」(出典:浄瑠璃・孕常盤(1710頃)四)
  3. うかつであったり、唐突であったりして、ある事態に至るさまを表わす語。うっかり。不用意に。ぼっかり。ぽっかり。
    1. [初出の実例]「誠しやかにささやけば、海野ほっかりとたらされ」(出典:浄瑠璃・百日曾我(1700頃)傾城請状)
  4. 事態が急に変わるさま、ある範囲全体が変貌するさまを表わす語。すっかり。ぽっかり。
    1. [初出の実例]「めしくひのほっかりふへる庄やの宿」(出典:雑俳・ちへ袋(1796))
  5. 暖かさを感じるさま、息や湯気が暖かくかかるさまを表わす語。ぽっかり。
    1. [初出の実例]「ほっかりとしてあたたかく」(出典:浮世草子・好色美人角力(1696頃)一)
  6. 柔らかい日ざしや弱い光が、ほのかにさすさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「行燈にほっかりと灯(あかり)ともる」(出典歌舞伎彩入御伽草(1808)皿屋敷の場)

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