改訂新版 世界大百科事典 「ボカ」の意味・わかりやすい解説 ボカBoca アルゼンチンの首都ブエノス・アイレス市南東部にある港町。スペイン語で〈口〉の意。ラ・プラタ川の支流リアチュエロ川の河口に近い左岸に位置し,かつては移民船の船着場でもあった。19世紀初め以来,イタリア系移民(とくにジェノバ人)が多数住みつき,彼らがタンゴを愛好したことがタンゴ隆盛の一因となったといわれる。今日でもタンゴを演奏する庶民的なレストランが並び,町の一角にはフィリベルトの名曲《カミニート(小径)》を記念した通りがある。画家のキンケーラ・マルティンB.Quinquela Martín(1890- )はボカを素材とした社会派の佳品を多数生んだことで知られる。執筆者:松下 洋 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by
日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボカ」の意味・わかりやすい解説 ボカぼかBoca アルゼンチンの首都ブエノス・アイレスの南東部、港の一角にある地区。ラ・プラタ川河口左岸に位置し、19世紀後半以降移民の入国や貿易でにぎわった。現在も、屋根の低い、はでな色のペンキで塗られた独特の家並みが残っている。アルゼンチン・タンゴの発祥地であり、ボカを素材として社会派の佳品を多数描いたキンケラ・マルティンの小美術館がある。[今井圭子] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボカ」の意味・わかりやすい解説 ボカBoca アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの東部の地区。ラプラタ川にのぞむ港湾地区で,イタリア系住民が多い。同市で最も古い地区で,現在も古い港町,漁村としての面影をとどめている。タンゴ発祥の地としても知られ,赤,朱,青などの原色で彩られた家が並ぶ中心部の通りは,有名なタンゴの曲名にちなんでカミニート (スペイン語で「小道」の意) 通りと呼ばれ,観光客を集めている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by