ボラール

百科事典マイペディア 「ボラール」の意味・わかりやすい解説

ボラール

フランス画商。マダガスカル南方の仏領レユニオン島生れ。1895年,当時全く認められていなかったセザンヌの大展覧会を開いて話題となり,ピカソマティスボナールルオーらの価値もいち早く認めた。《ある画商の思い出》(1937年)など著書も多い。
→関連項目ラプラード

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改訂新版 世界大百科事典 「ボラール」の意味・わかりやすい解説

ボラール
Ambroise Vollard
生没年:1868-1939

フランスの画商。パリで法律の勉強をし,かたわら美術の売立てにも興味を持ち,1894年にラフィット街に店を開く。セザンヌに早くから目をつけ,ルノアールの信頼も得,1901年という早い時期からピカソに関心を持った。無名時代から積極的に買い上げ後援するタイプの画商で,ボナール,ドラン,マティス,ルオーなども彼に負うところが大きい。版画連作の刊行も手がけた。《ある画商の思い出》(1937)に,画家たちの貴重なエピソードを記している。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボラール」の意味・わかりやすい解説

ボラール
Vollard, Ambroise

[生]1865. レユニオン島,サンドニ
[没]1939. パリ
フランスの画商,版画出版業者。海軍軍医,法律家を志したが,のちパリの画商のもとで働き,1893年に独立セザンヌマチス,ピカソ,ルオー,ブラマンクなどの往時の前衛的作品を擁護した。 95年セザンヌ展,99年ナビ派展,1901年ピカソ展などを主催近代美術の推進者となった。

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世界大百科事典(旧版)内のボラールの言及

【画商】より

…とりわけ,バルビゾン派や印象派に無名時代から注目して顧客を説得したデュラン=リュエル商会,後期印象派の画家たちに親しまれた小画商〈タンギー親爺Le Père Tanguy〉(1825‐94),保守的ながら兄の友人たちをとりあげたテオ・ファン・ゴッホThéo van Gogh(1854‐91)らが,近代画商としてあげられる。 19世紀末以降,ボラールはセザンヌ,ゴッホ,マティス,マイヨールらの個展を続々と開き,豪華本の石版画集を刊行し,忘れられた過去の画家たちを発掘して,20世紀画商の典型となった。その後もピカソとキュビスムの作家を扱ったカーンワイラー,ベルリンに表現主義の拠点としての画廊と出版社〈嵐Sturm〉をつくり同名の雑誌を刊行したワルデンH.Walden,アメリカ現代美術の出発点となった写真家スティーグリッツの〈291〉画廊(ニューヨーク),第2次大戦中ニューヨークに〈今世紀画廊〉を設けて戦後の抽象表現主義を準備したペギー・グッゲンハイムPeggy Guggenheim(1898‐1979),解放前後のパリでボルス,フォートリエ,デュビュッフェの個展を開いたドルーアンRené Drouin(1905‐ )など,20世紀前半の芸術運動に果たした画商の役割は大きい。…

※「ボラール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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