サンドニ(英語表記)Saint-Denis

デジタル大辞泉 「サンドニ」の意味・読み・例文・類語

サン‐ドニ(Saint-Denis)

フランス、パリ北郊、セーヌ‐サン‐ドニ県の都市。セーヌ川ウルク運河を結ぶサンドニ運河に面し、工業が盛ん。フランス歴代の王が埋葬されたサンドニ大聖堂がある。
インド洋、フランスの海外県レユニオン島県庁所在地同島北端に位置し、港湾をもつ。1669年にフランスの初代総督ルニョーによって建設され、サンポールより首都機能が移転された。サトウキビタピオカなどを産し、食品加工業が盛ん。クレオールハウスとよばれる植民地時代の建物が多く残っている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンドニ」の意味・わかりやすい解説

サン・ドニ(フランス)
さんどに
Saint-Denis

フランス北部、セーヌ・サン・ドニ県の都市。人口8万5832(1999)、11万1103(2015センサス)。パリの北に隣接し、セーヌ川とウルク運河を結ぶサン・ドニ運河に臨み、パリとリールを結ぶ高速道路が通じる。機械、化学、電子などの工業が盛ん。サン・ドニ修道院(12~14世紀)があり、その起源は、モンマルトルの丘で殉教した聖人サン・ドニの埋葬地サント・ジュヌビエーブ(聖女)が建てたという伝説のある僧院であった。この教会は代々のフランス王を埋葬したバジリク(宗廟(そうびょう))で、司教座教会でもある。12世紀には大市が開かれた。

[高橋 正]


サン・ドニ(フランス領レユニオン島)
さんどに
Saint-Denis

インド洋中西部にあるフランス領レユニオン島の首都。人口13万1557(1999)、14万6985(2015センサス)。同島の行政の中心地であるとともに商工業都市でもある。とくに同島の主要農産物である砂糖、タピオカ、バニラカカオの加工工場ほか、缶詰工場、たばこ工場などがある。レユニオン島北端の港町でもあり、官庁、寺院、小・中学校、博物館放送局のほか観光客用のホテルも多い。

[林 晃史]

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改訂新版 世界大百科事典 「サンドニ」の意味・わかりやすい解説

サン・ドニ
Saint-Denis

フランス北部,セーヌ・サン・ドニ県の工業都市。パリの衛星都市の一つで,人口8万6871(1999)。聖ドニ(3世紀)の墓所に建てられた修道院を中心に発展した町。中世には,修道院付属教会がフランス王家歴代の墓所となり,サン・ドニの原にランディと呼ばれる大定期市が立った。ながらく宗教都市であったが,1821年のサン・ドニ運河の開通,その後の鉄道網敷設を契機として,19世紀半ば以降パリ郊外で最大の重工業地区へと成長。第2次世界大戦後,地下鉄,高速自動車道の建設により,郊外住宅地化が進んだ。
執筆者:


サン・ドニ
Saint Denis

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンドニ」の意味・わかりやすい解説

サンドニ
Saint-Denis

フランス北部,セーヌサンドニ県の工業都市。パリの衛星都市。 19世紀中頃まではベネディクト派修道院 (7世紀) の町,中世の定期大市の町として知られるにすぎなかったが,現在は鉄道とサンドニ運河が町を貫いて,パリ北郊の代表的な総合的工業都市となっている。金属,自動車,化学,食品の工業が発達。聖堂はカロリング朝時代 (751~987) に献堂され,12世紀に増築されたもので,ロマネスク様式から初期ゴシック様式への変遷がよくみられる。ほぼ 12世紀の間,メロビング朝とカペー朝の若干の王を除けば,ダゴベルト1世 (在位 629~639) からルイ 18世 (在位 1814~24) までのフランス諸王の墓所であった。人口9万 806 (1990) 。

サンドニ
Saint-Denis

インド洋南西部にあるフランス海外県レユニオンの県都。レユニオン島北岸,サンドニ川河口に位置。 1642年からフランス人が植民。かつては主要港であったが,外洋の荒波に悩まされるため,1880年代にルポール港を建設,主要港の地位を譲った。行政・商業中心地で,サトウキビ,キャッサバ,タバコ,バニラ,ゼラニウムなどの集散,加工が行なわれる。東方約 10kmのサントマリーに国際空港がある。人口 13万3600(2004推計)。

サン=ドニ
Saint-Denis, Michel

[生]1897.9.13. ボーベ
[没]1971.7.31.
フランスの演出家,俳優。 J.コポーの甥。ビュー=コロンビエの演劇学校に学び,1924年コポーに従ってブルゴーニュに引きこもり,29年より「十五人座」劇団の長として A.オベイの戯曲をビュー=コロンビエ座で上演。 33年ロンドンに渡って,オールド・ビック劇場に加わり,その演劇学校長をつとめる。第2次世界大戦後は帰国して,東部演劇センター (ストラスブール) の指導者になった。

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百科事典マイペディア 「サンドニ」の意味・わかりやすい解説

サン・ドニ

フランス,パリ北郊セーヌ・サン・ドニ県の都市。セーヌ川とサン・ドニ運河の合流点にある交通の要地。冶金,機械,化学などの工業が盛んな産業の中心地。サン・ドニ修道院,名門として知られる女学校がある。9万7875人(2006)。

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世界大百科事典(旧版)内のサンドニの言及

【レユニオン[島]】より

…ただしトウモロコシなどの食料は自給率25%程度で,米を肉や魚とともに輸入に頼らなければならない。行政の中心は北岸のサン・ドニSaint‐Denis(人口12万2000,1990)である。【戸谷 洋】。…

【首∥頸】より

…オルフェウスの首は海を流れてレスボス島にたどりつき,かみつこうとした大蛇はアポロンによって石と化せられたという(オウィディウス《転身物語》)。切られたみずからの首を持ち運んだというサン・ドニ(ディオニュシウス)の話も有名。【池沢 康郎】。…

【ドニ】より

…Denysともつづる。〈聖人〉を意味する〈サンSaint〉を付してサン・ドニと呼ぶことも多い。フランスの守護聖人ならびに14救難聖人の一人。…

※「サンドニ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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