サン・ドニ(読み)さんどに(英語表記)Saint-Denis

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サン・ドニ」の意味・わかりやすい解説

サン・ドニ(フランス)
さんどに
Saint-Denis

フランス北部、セーヌ・サン・ドニ県の都市。人口8万5832(1999)、11万1103(2015センサス)。パリの北に隣接し、セーヌ川ウルク運河を結ぶサン・ドニ運河に臨み、パリとリールを結ぶ高速道路が通じる。機械、化学、電子などの工業が盛ん。サン・ドニ修道院(12~14世紀)があり、その起源は、モンマルトルの丘で殉教した聖人サン・ドニの埋葬地にサント・ジュヌビエーブ(聖女)が建てたという伝説のある僧院であった。この教会代々のフランス王を埋葬したバジリク(宗廟(そうびょう))で、司教座教会でもある。12世紀には大市が開かれた。

高橋 正]


サン・ドニ(フランス領レユニオン島)
さんどに
Saint-Denis

インド洋中西部にあるフランス領レユニオン島の首都。人口13万1557(1999)、14万6985(2015センサス)。同島の行政の中心地であるとともに商工業都市でもある。とくに同島の主要農産物である砂糖、タピオカバニラカカオの加工工場ほか、缶詰工場、たばこ工場などがある。レユニオン島北端の港町でもあり、官庁寺院、小・中学校、博物館放送局のほか観光客用のホテルも多い。

[林 晃史]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サン・ドニ」の意味・わかりやすい解説

サンドニ
Saint-Denis

フランス北部,セーヌサンドニ県の工業都市。パリの衛星都市。 19世紀中頃まではベネディクト派修道院 (7世紀) の町,中世の定期大市の町として知られるにすぎなかったが,現在は鉄道とサンドニ運河が町を貫いて,パリ北郊の代表的な総合的工業都市となっている。金属,自動車,化学,食品の工業が発達。聖堂はカロリング朝時代 (751~987) に献堂され,12世紀に増築されたもので,ロマネスク様式から初期ゴシック様式への変遷がよくみられる。ほぼ 12世紀の間,メロビング朝とカペー朝の若干の王を除けば,ダゴベルト1世 (在位 629~639) からルイ 18世 (在位 1814~24) までのフランス諸王の墓所であった。人口9万 806 (1990) 。

サンドニ
Saint-Denis

インド洋南西部にあるフランス海外県レユニオンの県都。レユニオン島北岸,サンドニ川河口に位置。 1642年からフランス人が植民。かつては主要港であったが,外洋の荒波に悩まされるため,1880年代にルポール港を建設,主要港の地位を譲った。行政・商業中心地で,サトウキビ,キャッサバ,タバコ,バニラ,ゼラニウムなどの集散,加工が行なわれる。東方約 10kmのサントマリーに国際空港がある。人口 13万3600(2004推計)。

サン=ドニ
Saint-Denis, Michel

[生]1897.9.13. ボーベ
[没]1971.7.31.
フランスの演出家,俳優。 J.コポーの甥。ビュー=コロンビエの演劇学校に学び,1924年コポーに従ってブルゴーニュに引きこもり,29年より「十五人座」劇団の長として A.オベイの戯曲をビュー=コロンビエ座で上演。 33年ロンドンに渡って,オールド・ビック劇場に加わり,その演劇学校長をつとめる。第2次世界大戦後は帰国して,東部演劇センター (ストラスブール) の指導者になった。

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