ボーカロイド(英語表記)VOCALOID

デジタル大辞泉 「ボーカロイド」の意味・読み・例文・類語

ボーカロイド(VOCALOID)

《〈和〉vocal+oid》パソコンなどに入力されたメロディー歌詞をもとに、曲に合わせた歌声を合成するソフトウエア。また、その曲を歌うアニメーションCGによるキャラクター。実在する歌手の歌声をサンプリングしたデータベースを作成し、断片化した歌声のデータを自由に組み合わせ、歌詞の継ぎ目を滑らかにしたり、ビブラートなどの音程変化をさせたりすることで、より自然な歌声を合成することができる。商標名。ボカロ。
[補説]ヤマハ株式会社が平成15年(2003)に開発。平成19年(2007)、他社がその技術を搭載し、CGのキャラクターが歌うDTMソフト「初音はつねミク」を発売して社会的に認知されるようになった。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボーカロイド」の意味・わかりやすい解説

ボーカロイド
ぼーかろいど
VOCALOID

ヤマハが開発した歌声を合成する技術の一つ。ヤマハの登録商標。この技術を応用したソフトウェア製品の総称にもなっている。

 ユーザー旋律となる音符情報と歌詞を入力すると、ボーカロイドは実際の人の声からつくられたデータベースをもとに、歌声をつくり出す。さらに、声音の強弱やビブラート、息継ぎといった情報を加え、合成当初の不自然な歌声を、人間が歌っているような、なめらかな旋律へと近づけるように編集できる。歌声のデータベースを変更することで、いろいろな歌声を演出できる。この特徴を生かし、特定のデータベースをキャラクター化したボーカロイド製品が販売されており、この製品で制作された楽曲ボーカロイド曲とよばれている。

 2007年(平成19)に声優のデータから歌声を合成する、「初音ミク(はつねみく)」というキャラクターを設定したボーカロイド製品が発売され、バーチャルアイドルとして世界中で人気を得た。これによりボーカロイド製品は、世界中のDTM(Desktop Music、デスクトップ・ミュージック)やキャラクター制作の愛好家に知られるようになった。ボーカロイド曲の多くは、制作したユーザーが楽曲を動画共有サイトに投稿し、この楽曲に共感した視聴者が楽曲にイメージ画像やアニメーションを制作して組み合わせた形で再発表している。動画共有サイトを軸にネットユーザーが共同作業をしながらコンテンツを仕上げるという、これまでにない自主制作のあり方が形づくられた。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

パソコンで困ったときに開く本 「ボーカロイド」の解説

ボーカロイド

楽器メーカーのヤマハが開発した音楽用の音声合成技術の名前です。楽譜に合わせて歌詞を歌う機能に特化しており、普通に話すのは苦手です。音声合成を行うソフトは製品ごとに「架空の人物(キャラクター)の声」として販売されており、「初音ミク」などが有名です。

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android