1977年に評論家 C.ジェンクスがその著作『ポスト・モダニズムの建築言語』 The Language of Post-Modern Architectureの中で命名した,現代建築の傾向をさす言葉。 1960年以降,初期の近代建築が変質し,機能をそのまま建築に表現する機能主義から,多くの建築家が歴史的様式や文化的な記号を用いて多元的な表現をするようになった傾向をさす。 M.グレーブズのポートランド市庁舎 (1982) や,P.ジョンソンのATT本社ビル (84,J.バギーと共同,ニューヨーク) が代表とされる。機能主義からの逸脱,多元的な表現,記号論的な建築解釈という傾向は建築のみならず,他の造形,思想,文化の領域にも認められることから,ポスト・モダンあるいはポスト・モダニズム post modernismという概念は 1970年代,80年代の文化概念を示す言葉となった。