改訂新版 世界大百科事典 「ポットー」の意味・わかりやすい解説
ポットー
potto
Perodicticus potto
西アフリカのギニアから東アフリカのビクトリア湖東岸にかけての熱帯降雨林に生息する霊長目ロリス科の原猿。樹上での立体視に適した,前に向いた大きな目をもつ。前後肢ともに,大きな親指が他の指と向かい合うようについていて,第2指は著しく退化しており,木の枝をつかむのにつごうがよい。くびの後ろに骨が突き出してできた突起があり,威嚇や闘いに用いられる。頭胴長は雄が34~41cm,雌が36~42cm。尾長は雄が5~8cm,雌が6~7cm。体重は雄が1.0~1.4kg,雌が1.0~1.2kgと性差が小さい。体色は灰色のものから茶色のものまでいろいろあり,腹部は白っぽい。夜行性で,樹上をゆっくりと移動し,昆虫,トカゲなどの小動物に忍び寄って捕食するほか,木の葉や果実なども食べる。単独生活者で,同性の個体に対しては排他的ななわばりをつくる。
執筆者:古市 剛史
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報