山川 世界史小辞典 改訂新版 「マザッチオ」の解説
マザッチオ
Masaccio (本名 Tommaso di ser Giovanni Mone Cassi)
1401~28/29
イタリア初期ルネサンスの画家。1422年からフィレンツェとピサで活躍,ローマで没。ジオットの造形伝統を受け継ぎながら,彫刻家ドナテッロの量感ある人体と,建築家ブルネレスキの透視図法による空間構成とを学び,絵画における初期ルネサンス様式を確立。この構造的な人体表現と遠近法にもとづく空間表現を融合させた,厳密で堂々たる作風は,フィレンツェの画家たちに決定的な影響を与えた。代表作は,フィレンツェのカルミネ聖堂内ブランカッチ礼拝堂の「貢の銭」「楽園追放」など聖ペテロの生涯を描いた連作壁画,サンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂の「聖三位一体」壁画など。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報