最新 地学事典 「マッカーサーリバー鉱山」の解説
マッカーサーリバーこうざん
マッカーサーリバー鉱山
McArthur River mine
オーストラリア,ノーザンテリトリー東北端,Mt.Isa鉱山の北西600kmにあるsedex型鉛・亜鉛・銀鉱床。中部原生界マッカーサー層HYC黄鉄鉱質頁岩層の凝灰質泥岩・ドロマイト質頁岩に胚胎。平面で1.5km×1kmに広がり平均厚55m, その中に薄い凝灰質頁岩や角礫岩を挟む8枚の鉱層がある。鉱石鉱物はフランボイダル黄鉄鉱・閃亜鉛鉱・方鉛鉱に少量の黄銅鉱・硫砒鉄鉱・安四面銅鉱。非変成のため初生鉱物の粒径は数µmで,変成したMt.Isaの鉱石と対照的。δ34Sは閃亜鉛鉱(+3.3~+8.9‰),方鉛鉱(-1.2~+5.7‰),黄鉄鉱(-3.9~+14.3‰)で前2者が非生物源,後者が生物源とされる。生成場は大陸地殻内のリフト帯。鉱層中の凝灰岩のジルコンによるU-Pb年代1,680Ma。埋蔵鉱量2.27億t, Pb5.4%, Zn11.0%, Ag4.1ɡ/t, Cu0.2%。Mt.Isa鉱床の同一層準を追跡して異極鉱の露頭を最初に発見した(1955)ときの経緯にちなみ,HYC(“Here’s your chance”)depositとも呼ばれる。微粒鉱石の選鉱技術や道路の問題で開坑が遅れ,93年に年産150万t体制で開発を決定。
執筆者:矢島 淳吉
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

