マメガキ(読み)まめがき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マメガキ」の意味・わかりやすい解説

マメガキ
まめがき / 豆柿
[学] Diospyros lotus L.

カキノキ科(APG分類:カキノキ科)の落葉高木。葉は楕円(だえん)形で全縁、長さ10センチメートル、幅6センチメートル、有柄で互生し、表面は深緑色、裏面灰白色雌雄異株。花は黄白色、壺(つぼ)状で径1.5センチメートル。11月ころ、褐黒色に熟す。果実は圧球形から短紡錘形で、果径1.5センチメートル、完熟すると甘く、生食のほか、餅(もち)に搗(つ)き込んでも食べる。若い果実をつぶして柿渋(かきしぶ)をとる。耐寒性が強く、実生(みしょう)苗をカキの台木とする。小アジア原産で、別名シナノガキ(信濃柿)といい、君遷子とも書く。

[飯塚宗夫 2021年3月22日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マメガキ」の意味・わかりやすい解説

マメガキ(豆柿)
マメガキ
Diospyros lotus

カキノキ科の落葉高木で,シナノガキ,ブドウガキともいう。西アジア原産といわれ,日本には古くから中国より導入され栽培されている。幹は高さ3~9mとなり,若枝には黄灰色の伏毛がある。葉は短い柄があり,長さ6~10cmの楕円形で先はとがり,下面に灰白色の毛がある。6月頃,新枝の下方葉腋に淡黄色の花をつける。萼は4裂し,裂片は三角形,花冠は鐘形である。液果は長さ 1.5~2cmの長楕円形で,熟すると黄色となり食べられる。未熟の果実から柿渋をとるため栽培される。

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