マラケシ旧市街(読み)マラケシきゅうしがい

世界遺産詳解 「マラケシ旧市街」の解説

マラケシきゅうしがい【マラケシ旧市街】

1985年に登録されたモロッコの世界遺産(文化遺産)で、同国中南部にあるマラケシ州の州都マラケシに位置する。この町は、モロッコの中央部を東西に走るアトラス山脈の麓にあり、郊外にはオアシスが点在し、「南方産の真珠」と呼ばれてきた。マラケシは、1070年頃から本格的に整備され、先住民のベルベル人による最初のイスラム王朝ムラービト朝の都として築かれた。その後、サハラ砂漠を横断する隊商キャラバン)路の重要な基点として、また、マグレブ地方のイスラム文化、学問の中心地として栄えた。現在のマラケシ旧市街(メディナ)は、狭い路地が迷路のように走り、スーク(市場)には商店がひしめいている。モロッコでも最大の規模を誇り、王宮の他に、バイーヤ宮殿、サード朝の大廟墓群、バルアベ陵、アグダル庭園などが存在する。なかでも、かつて公開処刑場であったジャマーア・エル・フナ広場は、ユネスコの無形遺産に選ばれている。このような独特の建物と町並みが評価され、世界遺産に登録された。◇英名はMedina of Marrakesh

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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