マントル地球化学端成分(読み)マントルちきゅうかがくたんせいぶん

最新 地学事典 「マントル地球化学端成分」の解説

マントルちきゅうかがくたんせいぶん
マントル地球化学端成分

mantle geochemical end-members

地球マントルの不均質性をあらわすために用いられる複数の仮想的・便宜的な成分。それぞれ特徴的な組成範囲をもつ。観察されるマントル由来の玄武岩やかんらん岩などの組成空間,特に同位体比組成空間において定義され,特定の組成範囲に対して端成分としての個別名称がつけられている。マントル地球化学端成分が用いられるようになった理由の一つは,極端な組成をもつものは特徴をとらえやすく,その成因を探る鍵を提供しうると考えられるからである。その結果,端成分の成因が個別に議論され,それらの混合や相互作用としてマントルの物質循環が議論されるようになった。一方で,組成空間全体を一度に把握し,端成分を含む多様性がどのような成因をもつか,統計解析から明らかにされつつある。その結果,マントルの不均質性は溶融反応と脱水─加水反応(およびその組み合わせ)の結果として多様性全体がほぼ説明され,いくつかの端成分は反応の程度の違いのみで説明可能とされる。このアプローチに基づき,地球マントルが組成的に東西半球に大別され,東半球マントルは,西半球に比べて,より加水反応を被った物質からなると指摘される。この東半球および西半球は,それぞれインド洋型マントルおよび太平洋型マントルとよばれる組成範囲および地理的分布を包含し,大陸地域のデータも含めた統計解析の結果,海洋域に限定されない半球構造とその成因が提唱されている。

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参照項目:DMM
参照項目:PHEM
参照項目:EM-I
参照項目:EM-II
参照項目:FOZO/C
参照項目:HIMU
参照項目:太平洋型・インド洋型マントル

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

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